2008年12月7日日曜日

トビシマカンゾウ-佐渡⑥

今年の夏の佐渡訪問では、大野亀の緑の絨毯の上に一面に咲くトビシマカンゾウを見る時間はありませんでした。それでも、島内の海岸沿いのあちこちに結構咲いていて、尖閣湾の断崖の窪地にも、咲いていました。初めて見たけど、ニッコウキスゲによく似ています。トビシマカンゾウに混じって、断崖の岩にしがみつくように咲く、もっと赤橙色のやや大ぶりの花が「イワユリ」だと教わりました。

「どうしてこの名前がついたんですか?」
「最初に発見された飛島の名前を冠したそうですよ」
「飛島って、酒田の沖合いにある、あの飛島?」
「ええ、佐渡と飛島にしかないそうです」
この二つの島は、北前船の交易でも深いつながりがあったようですが、それよりはるか太古の昔から、自然界の不思議な縁で、繋がっていたのでしょうか? 

後で調べたら、トビシマカンゾウは飛島と佐渡だけに分布するキスゲで、ニッコウキスゲの島嶼型とされているそうです。驚いたことに、若芽、若葉、花(つぼみ)を食用にする、と書いてありましたが、島の人は日常食べているんでしょうか?

尖閣湾の台地にあるお土産屋をのぞいたら、佐渡赤玉石と無名異焼(むみょういやき)が販売されていました。赤玉石は、透明感のある赤い石で、細工物や置石として珍重されているとのことですが、今は産出量が非常に少なくなってしまったので、結構高価です。

無名異焼は、佐渡金山採掘の際の副産物である、酸化鉄を含有する赤土を陶土にしているので、釉薬をかけていないものは赤茶色をしています。薄手の堅牢そうな急須に8千円の値がついていましたが、粗忽な我が家には、似合いそうにありません。重要無形文化財の指定を受け、陶芸家の5代目伊藤赤水さんは人間国宝。)
 

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