2008年12月7日日曜日

ウミネコの必死の追跡-浄土ヶ浜

10年ぐらい前に、宮古の浄土ヶ浜を訪れた時、妙に白っぽい小石の浜と白壁城の様な岩礁、そして気味悪いほど静か‎に透き通った浪打際のコントラストを見て、まさに名前どおりの浜だと感じました。荒波に打たれて日々戦っている巖岩というのではなく、もう悟りきったような風情です。

今回は、この表浄土ヶ浜の裏側にある裏浄土ヶ浜という岩礁地帯の見物に行きました。乗船したときから、私は後部甲板の椅子に陣取って、船の周りに飛び交うウミネコに糞を引っ掛けられないよう、用心していました。船が全速力で走り出すと、ウミネコ達は猛然と追跡してきます。船内で売っているパンをちぎって空中に投げると、器用に飛び掛ったり、取り損なって海面に落ちると、サッと波間に下りていくのもいて、中々敏捷。

指で挟んだパンを直接咥える鳥もいて、若い男の乗客が、反対の手でウミネコを捕まえました。驚いたウミネコは腕の中でジタバタした挙句、記念撮影が終わって無事放免。怯えたウミネコに目玉をえぐられても知らないよ。

たった一片か二片のパンのためにかけるウミネコのエネルギーは、可愛そうなくらいです。あれでは費消するエネルギーにまるで引き合わない。それでも、観光船会社のささやかなアルバイト・ショーのパートナー達は、今日も必死に船を追跡します。

 

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