2008年12月7日日曜日

那須高原の別世界②-遊行柳と芦野温泉

同じ那須でも、国道4号線と東北本線を越えた東側一帯は、のどかな農村地帯で、この地域を縦貫する国道294号線は、旧奥羽街道の宿場町を結んでいます。芦野もその宿場のひとつで、往時には40軒を越える宿屋があり、芸者衆までいたというのですが、今は隔世の感があります。

ご案内いただいたSさんの話では、芦野の史跡で最も有名なのは、「遊行柳」だそうです。<http://www.net-tochigi.com/ittekita/yuku294/now.html > 古典の素養に欠ける私は、謡曲の遊行柳は全く知りませんでしたが、西行法師がこの地で詠んだ下の和歌に想を得て、室町時代に創作されたもののようです。時代が下って、隣町の黒羽に長逗留した芭蕉も、この地を訪れています。

「道のべに清水流るゝ柳かげしばしとてこそ立ちどまりつれ」(新古今集、山家集)
「田一枚植て立去る柳かな」 (奥の細道)
とうたわれたとおり、田んぼの中にぽつねんと佇んでいる様は、何となくはかなげで、夕暮れになると妖気が漂いそうな雰囲気です。

散文的な私は、初めて名前を知った芦野温泉により強い興味を持ちました。強アルカリ性単純泉の源泉かけ流しとヒリヒリの薬湯の2本立てといった、妙な組み合わせです。駐車場には、埼玉、群馬、茨城ナンバーの車が沢山来ていて、この温泉の薬効はかなり広く知れ渡っているようです。

この温泉には宿泊施設も併設されています。< http://www.asinoonsen.co.jp/ > 一般的な温泉旅館風でもなく、かと言って、湯治場的でもない、一寸変った雰囲気の施設です。残念ながら、自炊しながらのんびり経済的に長逗留できる宿泊棟はありませんでした。施設で毎月1回開かれる「楽芸会」の出演者には、無料宿泊招待もあるそうですから、民謡、日舞、フラダンス、楽器演奏、手品、漫才などの隠し芸の心得がある方は是非お試しを。おひねりも飛んでくるそうです。

 

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