2011年3月29日火曜日

南三陸町、復興に着手

 
 三陸沖を震源とする大震災から、2週間余り経った。被災地区のひとつ、町家の7割が津波に流された南三陸町では、震災3日前の3月8日に、滞在型ツーリズム・キャンペーン=【のんびりステイ~南三陸】(http://www.m-kankou.jp/nonbiri/ )を発表したばかりだった。キャンペーンの最終作業に立ち会うために3月4日まで現地に滞在していたが、見慣れた町の情景が、瞬間跡形もなく消え去っていることに、呆然、言葉を失う。
 
 これだけの天災に見舞われても、東北の人たちの我慢強く、つつましい、気丈な言動には、全く頭が下がる。自然の脅威を知り尽くし、自然と賢く折り合いをつけながら生業を営んできた父祖伝来の心映えだろうか。都会でぬくぬくと育った元小説書きの、”天罰”などという舌足らずな指弾は、おおよそ筋違いというものだ。
  
 体育館の敷地の一角に、町役場の臨時プレハブ庁舎ができたそうだ。しかし、住民基本台帳はじめ、一切の書類やパソコンが消失した中での、ゼロからの復興作業開始となる。多くの役場スタッフの行方不明がこれにかぶさる。町復興の困難な仕事を軌道に乗せるには、町外の専門家や応援隊の長期的な支援が、不可欠に違いない。
 
 手元に、2007年に刊行された南三陸町町勢要覧がある。在庫はそっくり流されたと思われるので、勝手にPDF化して、サーバーにアップした。⇒ http://www.slowstay.org/pdf/m-sanriku_2007youran.pdf
ここには、人々の滋味豊かな生活振り、歴史と文化に対する誇り、未来への想いが凝縮されている。リアスの海を縁取っていた東北沿岸の街々が、何れかの日にその輝きを取り戻すことを、切に願う。
 

0 件のコメント: